Microsoft 365 Copilot Business、販売パートナー経由の新規購入で12月1日から従量課金が既定オンに - 1人月4,000クレジットの上限つき
Microsoftは、CSP(販売パートナー)経由で購入する新規のMicrosoft 365 Copilot Businessライセンスで、2026年12月1日から使用量課金を既定で有効にする。購入時にAzureの課金環境と1人あたり月4,000 Copilotクレジットを既定値とする支出ポリシーが自動で用意される。開始日は当初の11月2日から延期された。
Microsoft は、CSP(Cloud Solution Provider、販売パートナー経由の契約)で購入する新規の Microsoft 365 Copilot Business ライセンスについて、2026年12月1日から使用量課金(usage-based billing)を既定で有効にする1。既定の課金方法は従量課金(pay-as-you-go)で、Copilot Cowork、Work IQ API、GitHub Copilot Harness といった使用量で課金される機能を、追加の設定なしで使える状態にするという。開始日は当初11月2日と告知されていたが、10月14日の更新で12月1日に変わった。
席単位の月額料金とは別に、使った分だけ Copilot クレジットが請求される仕組みが、購入した時点で動く状態になる。既定の支出上限は1ユーザーあたり月4,000 Copilot クレジットで、100ユーザーなら月40万クレジットまで消費しうると Microsoft は例示している1。上限は管理者が調整できる。
購入時に自動で用意されるもの
Microsoft の CSP 向け解説によると、これまで使用量課金を有効にするには、パートナーが Azure Plan を取得し、委任管理の権限(GDAP)を申請し、顧客に代わってサインインして設定する必要があった2。この多段の手順のために、対象顧客の大半は使用量課金を有効にしていなかったと同社は説明している。変更後は、購入の時点で Partner Center が Azure の課金環境と既定の支出ポリシーを自動で作る。提供開始の時点では、使用量課金を明示的に選ぶ手順はない。
同じ解説は、CSP で Copilot Business を買う顧客のおよそ4分の3が、現時点でパートナー経由の Azure を使っていないとしている。そうした顧客の場合、購入を確定すると Azure Plan、Azure サブスクリプション、リソースグループが自動で作られる旨の警告が注文確認画面に出る。
使用量課金が有効になるきっかけは新規購入だけではない。解説が挙げているのは次の3つである。
- 対象 SKU の新規購入(テナント全体に適用される既定のポリシーが作られる)
- 既存の Copilot Business サブスクリプションへの席の追加(Partner Center のポータルから追加した場合。API での席数変更では作られない)
- Copilot の試用版から、対象の有料 SKU への切り替え
既定のポリシーは、その顧客に支出ポリシーや課金ポリシーがまだない場合にだけ作られ、別のパートナーや別の経路で作ったポリシーがあれば重複して作らない。ポリシーを新たに作る際の既定値は、テナント全体の上限が120万クレジット、ユーザーごとの上限が4,000クレジットとされている。なお、この解説は未リリースの機能を扱っており、API の形は一般提供までに変わりうると注記している。
対象になる契約、ならない契約
対象は Copilot Business(Business 向けの SKU)だけで、Microsoft 365 Copilot(Enterprise)は含まれない2。商用契約に限られ、教育機関・非営利団体・GCC Low も対象外である。Copilot Business 単体のほか、Microsoft 365 Business Basic・Standard・Premium と Copilot Business を組み合わせたバンドルも対象 SKU に挙がっている。
展開は対応市場の対象顧客から順に進み、当初はオーストラリア、ベルギー、ブラジル、フランス、ドイツ、インド、イタリア、韓国、オランダ、ポーランド、スペインでは提供しない1。この除外の一覧に日本は入っていない。日本の中小企業で、Microsoft 365 を販売パートナー(CSP)経由で契約し、12月以降に Copilot Business を追加する場合は、この変更がかかるものとして準備しておくほうが安全だろう。
Microsoft は8月に、消費者向けの Copilot アプリと Microsoft 365 Copilot を1つのアプリに統合する方針を示していた。今回の変更は、業務向けの Copilot で、使用量で課金される Cowork などの機能を使い始めるまでの手間を、課金の設定の側から減らすものと考えられる。
管理者が確認しておく設定
既定のままにすると、どこまで使われうるかを決めるのは支出ポリシーの設定になる。Microsoft 365 管理センターの Copilot > Cost Management で、次の点を見ておきたい3。
まず、支出ポリシーの「Auto-apply new services」は既定でオンになっている。オンのままだと、Microsoft が新たに使用量課金の対象にした Copilot のサービスやエージェントが自動でポリシーに加わる。将来のサービスを都度確認してから許可したい場合は、この設定をオフにするよう Microsoft 自身が注記している。
次に、ユーザーごとの上限である。上限に達したユーザーは、その月の残りの期間、対象のエージェントとサービスを使えなくなり、翌月1日にリセットされる。キャパシティパックや事前購入プランで前払いしたクレジットがある場合は、それが先に使われてから従量課金に移る。既定の4,000クレジットのまま全ユーザーに適用するのか、部署や役割ごとに上限を分けるのかは、購入前に決めておいたほうがよい。個別のユーザーやグループ単位のポリシーは、Partner Center ではなく管理センター側で作る2。
請求の見え方も変わる。使用量課金の請求は、Copilot Business の席の料金とは分けて請求書に載る2。席の追加をきっかけにテナント全体で使用量課金が有効になるため、きっかけになった購入が一部の席だけでも、テナントに従量の請求が現れることがあると解説は注意している。
使用量課金を止める方法については、同じ解説の中で記述がそろっていない。一方の節は、一度構成すると完全には無効化できず、上限をゼロにして支出を止めるとし、別の節は、上限はプラットフォームの最低値より下げられず、支出を完全に止めるにはポリシーを削除するしかないとしている2。削除すると以後の課金は直ちに止まるが、削除前に発生した利用分の支払い義務は残る。解説は未リリースの機能を扱っているため、実際に止める必要が出たときは、その時点の文書とパートナーに確認するのが確実だ。
12月1日に重なるもう1つの変更
同じ12月1日には、Copilot の購入方法そのものも変わる。Microsoft 365 の基盤サブスクリプションを前提としない新しい Microsoft 365 Copilot と Copilot Business のオファーが、CSP を含む全チャネルで買えるようになり、価格は現行と同じとされている1。現行のオファーは10月16日から名称に「(add-on)」が付き、CSP では12月1日に販売を終える。販売終了は提供終了ではなく、既存の契約は更新も席数の変更も続けられる。
新オファーへの切り替えについて、Microsoft は既存のサブスクリプションでの対応は不要としている。一方、使用量課金の既定オンは、解説が挙げる新規購入・ポータルからの席の追加・試用版からの切り替えのいずれでも起こる。
組織が有効にした機能が既定で従量課金に結びつく例は、ほかの AI 製品にもある。10月には GitHub が、組織で有効にすると対象リポジトリで既定でオンになるエージェント型の修正機能を一般提供した。料金体系の面では、SpaceXSI の The X Subscription で、Cursor で他社モデルを使う分がPremium 以上のプランで定額枠の外の従量課金になった。席の料金だけで予算を組んできた組織ほど、上限の設定を購入の手続きの一部として扱う必要が出てくる。Copilot Business については、パートナーから見積もりを取る段階で、既定のポリシーをどう設定して納品するかを確認しておくとよい。
Sources
- October 2026 announcements - Partner Center announcements - Microsoft Learn(2026年10月1日告知、10月14日更新)
- Usage-based billing for Microsoft 365 Copilot Business in Partner Center - Microsoft Learn(Partner Center)
- Managing AI experiences enabled by usage-based billing - Microsoft Learn
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