DeepSeek、V4-Proを正式提供しAPI料金を8月16日に改定 - 時間帯で単価が変わる方式へ

DeepSeekがDeepSeek-V4-Proの正式提供を開始し、あわせてAPI価格を2026年8月16日16:00 UTCから改定する。新料金はピーク/オフピークの2区分で、オフピークはピークの半額。v4-proの出力単価は現行$0.87からピーク$3.96になる。

DeepSeek、V4-Proを正式提供しAPI料金を8月16日に改定 - 時間帯で単価が変わる方式へ

DeepSeekが8月13日、DeepSeek-V4-Proの正式提供(GA)を開始した1。同時に告知されたのがAPI価格の改定で、2026年8月16日16:00(UTC)から新しい料金体系に切り替わる12。日本時間では8月17日の午前1時にあたる。

改定の中身は2つある。単価そのものの引き上げと、時間帯によって単価が変わる「ピーク/オフピーク」課金の導入だ2。DeepSeekは「リソースをより合理的に配分するため」とし、オフピーク価格をピーク価格の半額に設定することで、利用者が実際の使い方に応じてタスクの実行時刻を調整することを促すとしている3

新料金は現行の1.5倍から12倍まで、項目によって幅がある

公式の価格ページには、現行価格と改定後の価格が並べて掲載されている2。100万トークンあたりの米ドル建てで、現行価格は次のとおり。

モデル入力(キャッシュヒット)入力(キャッシュミス)出力
deepseek-v4-flash$0.0028$0.14$0.28
deepseek-v4-pro$0.003625$0.435$0.87

8月16日16:00 UTC以降はこうなる2

モデル区分入力(キャッシュヒット)入力(キャッシュミス)出力
deepseek-v4-flashオフピーク$0.007$0.22$0.66
deepseek-v4-flashピーク$0.014$0.44$1.32
deepseek-v4-proオフピーク$0.022$0.66$1.98
deepseek-v4-proピーク$0.044$1.32$3.96

ピーク時間帯は 01:00-04:00 と 06:00-10:00(UTC)の2ブロックで、それ以外はすべてオフピークにあたる2。日本時間に換算すると、10:00-13:00 と 15:00-19:00 がピークになる。

上の表から計算すると、引き上げ幅は項目によってかなり違う。deepseek-v4-pro の出力単価は $0.87 からピーク $3.96 で約4.55倍、オフピーク $1.98 でも約2.28倍。入力(キャッシュミス)は $0.435 からピーク $1.32 で約3.03倍だ。最も倍率が大きいのはキャッシュヒットした入力で、$0.003625 からピーク $0.044 は約12.1倍にあたる。deepseek-v4-flash も同じ傾向で、出力はピークで約4.71倍、キャッシュヒット入力は5倍になる。

キャッシュヒットの倍率が突出している点は、長い会話履歴やコードベースを毎回投げるような使い方をしている場合に効いてくる。トークンの総量が同じでも、キャッシュに乗る比率が高い構成ほど、今回の改定で相対的な負担増が大きくなる計算になる。なお、DeepSeekは1次情報の中で引き上げ倍率には触れておらず、上の数値はいずれも公式の価格表からの算出である。

V4-Proは「Expert Mode」から、思考の深さは3段階に

価格改定と同じ日に正式提供が始まったDeepSeek-V4-Proは、アプリとWebでは「Expert Mode」から利用できる1。API側はモデル名の変更がなく、deepseek-v4-pro を指定すれば最新版が使われる13。価格ページのモデル表ではバージョン表記が DeepSeek-V4-Pro-0813 となっている2

DeepSeekは、GA版でエージェント能力が向上し、特に本番環境での性能改善が大きいとしている3。自社が掲載しているベンチマーク値は Terminal Bench 2.1 が87.9、NL2Repo が61.5、DeepSWE が62.7、Toolathlon-Verified が74.1、Cybergym が83.3、Agents’ Last Exam が25.7、HLE がツールなし42.7・ツールあり60.03。DSBench-FullStack の71.1と DSBench-Hard の67.2は、DeepSeekが社内で持っているフルスタック開発とコーディングエージェント難問のテストセットによる値である3。いずれもDeepSeek自身の測定で、第三者による検証ではない。

APIの機能面では2つの変更がある。ひとつは思考(thinking)の深さで、V4-ProとV4-Flashのいずれも low / high / max の3段階を選べるようになった3。DeepSeekは単純なタスクには low、日常のエージェント作業には high、複雑な場面には max という使い分けを挙げている13。もうひとつはOpenAIのResponses API形式へのネイティブ対応で、Codex向けに適合させ、ワンクリックの設定スクリプトで接続できるとしている3

両モデルのコンテキスト長は100万トークン、最大出力は384Kトークンで、同時実行数の上限は deepseek-v4-flash が2500、deepseek-v4-pro が500と設定されている2

「安くなる」流れの中で逆を向いた

ここ1か月ほど、主要APIの単価は下がる方向で動いていた。7月30日にはOpenAIがGPT-5.6 Lunaを80%値下げし、Terraも20%引き下げている。8月13日には、同じモデルのまま速度だけを上げるUltrafast階層が限定プレビューとして公表された(この階層の料金は公表されていない)。単価を下げるか、サービス階層を分けるか、という動きが続いていたところに、DeepSeekは「基準となる単価を上げ、時間帯で割り引く」という別の方向を示したことになる。

DeepSeek自身のこれまでの流れを追うと、4月24日にAPIがV4-ProとV4-Flashに対応し、旧モデル名の deepseek-chatdeepseek-reasoner は3か月後の7月24日に廃止すると告知されていた3。7月31日にはV4-Flashが正式リリースされ、その際「DeepSeek-V4-Pro の正式リリースは近日中」と告知されていた3。今回のV4-Pro GAはその予告どおりの着地で、V4系のラインナップが揃ったタイミングに価格改定を合わせた形になる1

実務側で考えることは、単価の上昇そのものよりも時間帯課金の扱いのほうが大きいかもしれない。ピークが日本時間の10:00-13:00と15:00-19:00という、ちょうど業務時間に重なる帯に置かれているためだ。対話的な用途は避けようがない一方で、バッチ処理、定期実行、夜間に回すエージェントのジョブは、オフピークに寄せれば単価が半分になる。逆に、時刻を意識せずに動かしている自動化は、これまでと同じ処理量でも請求額が変わる。8月16日16:00 UTCという発効時刻がはっきりしているので、それまでにどのジョブがどの時間帯に走っているかを一度洗い出しておくと、想定外の請求を避けやすい。

なお、DeepSeekは価格ページに「価格は変わることがあり、当社は調整する権利を留保する」と明記しており、最新の情報はページを定期的に確認するよう求めている2。各社の料金プランの横並びはAIコーディングツール料金比較にまとめている(2026年7月11日時点の情報)。

Sources

  1. DeepSeek-V4-Pro GA Release - DeepSeek公式(2026年8月13日)
  2. Models & Pricing | DeepSeek API Docs - DeepSeek公式の価格ページ
  3. Change Log | DeepSeek API Docs - DeepSeek公式のチェンジログ(2026年8月13日付エントリ)

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