Metaは2026年7月7日、画像生成モデル「Muse Image」の提供開始と、動画生成モデル「Muse Video」の早期プレビューを発表しました1。両モデルは、同社の研究組織Meta Superintelligence Labsが開発した初のメディア生成モデルです1。Muse Imageは同日からMeta AIアプリとmeta.ai、米国のInstagram Stories、一部の国のWhatsAppで利用でき、Facebookにも近日対応します1。
Meta Superintelligence Labsは2026年4月に初の大規模言語モデル「Muse Spark」を発表しており3、今回のMuse Image / Muse Videoはそれに続く第2弾にあたります。Llamaチームの主要メンバーが相次いで離脱するなど転換期が伝えられてきたMetaのAI開発が、新体制でテキスト以外のモダリティに成果を広げてきた形です。
「エージェントとして動く」画像生成モデル
Muse Imageの特徴は、単にプロンプトから画像を出力するのではなく、エージェントのように振る舞う点です。モデルはコードを書いて実行することを学習しており1、グラフやQRコードのような正確さが要求される要素の生成に活用します。また、Web検索を自律的に行って事実に基づいた画像を生成することもできます1。
さらに、自分の生成物を省みて改善する自己改善の挙動も示します1。生成時に使う計算量(テスト時計算)を増やすほど品質が向上し、Metaによればおよそ対数線形のスケーリング関係を示すとしています1。複数の写真を1枚の作品に合成する機能や、複雑なプロンプトを高度な推論で理解する能力も備えます2。
性能面では、リーダーボードのArenaにおいて、text-to-image・単一画像編集・複数画像編集の3部門で2位につけています(2026年7月5日時点)1。
Muse Videoはネイティブ音声対応でプレビュー
早期プレビューとして公開されたMuse Videoは、Muse Imageと共通の基盤の上に構築された動画生成モデルで、音声を含む動画をネイティブに生成できます1。Arenaのtext-to-video部門では人間選好Eloで3位です(同時点)1。一方でMetaは、音声と映像の同期や、物理的に正確な高速モーションの描写には課題が残るとしています1。クリエイター向けとMeta AIでの提供が予定されています。
生成物には不可視透かし「Content Seal」が埋め込まれます。編集を経ても保持される来歴シグナルで、AI生成コンテンツであることを識別できるようにする仕組みです1。
InstagramやWhatsAppの日常機能に組み込み
今回の発表は、モデル単体の公開ではなく、Metaの主要アプリへの組み込みとセットになっている点が特徴です。Instagram Storiesには30種類超の新しいAIエフェクトが追加され2、WhatsAppではMeta AIとのダイレクトチャット内で画像を生成できます(一部の国から開始)2。Messengerへの対応も予定されています2。さらに、広告主や代理店はAdvantage+ creative経由でMuse Imageを広告制作に利用できるようになります2。
画像生成をめぐっては、Googleが7月に画像生成「Nano Banana 2 Lite」と動画生成「Gemini Omni Flash」を公開するなど、主要各社が生成コストと品質の両面で競争を続けています。Metaの場合は、数十億人が日常的に使うInstagramやWhatsAppという配布網に画像生成モデルを直接載せられることが大きな強みで、一般ユーザーが「AIツールを使いに行く」のではなく「普段のアプリの中でAIに触れる」流れを加速させることになりそうです。マーケティングや広告制作に携わる読者にとっては、Advantage+経由での広告クリエイティブ生成が実務に直結する変化と考えられます。
技術的な詳細はMeta AIブログの発表記事で確認できます。
Sources
- Introducing Muse Image and Muse Video - Meta AI公式ブログ(2026年7月7日)
- Introducing Muse Image: Image Generation Built for Your World - Meta公式ニュースルーム
- Meta debuts Muse Image, its first AI image model built under Alexandr Wang’s lab - The Next Web