Googleは2025年11月18日、次世代AIモデル「Gemini 3」を発表した。同社はこれを「最も知的なモデル」と位置づけており、推論能力、マルチモーダル理解、コーディング性能において業界をリードする成績を収めている1。
Gemini 3 Proは、LMArenaリーダーボードで1501 Eloという史上初の1500超えスコアを達成。PhD レベルの科学推論を測定するGPQA Diamondでは91.9%、Humanity’s Last Examでは37.5%(ツール未使用)を記録している1。Geminiアプリは月間6億5000万ユーザー、AI Overviewsは月間20億ユーザーに到達しており、Googleの AI製品は広く普及している1。
推論性能の向上
Gemini 3は、前世代のGemini 2.5 Proと比較して、すべての主要ベンチマークで性能が向上している。特に注目すべきは以下の点だ12:
- LMArena: 1501 Elo(GPT-5.1やClaude 4.5 Sonnetを上回る)
- GPQA Diamond: 91.9%(PhD レベルの科学推論)
- Humanity’s Last Exam: 37.5%(ツール未使用)
- MathArena Apex: 23.4%(数学推論で新記録)
- AIME 2025: 95%(高校数学)
- SimpleQA Verified: 72.1%(事実精度)
マルチモーダル性能においても、MMMU-Proで81%、Video-MMUで87.6%を達成している1。
Deep Thinkモード
Gemini 3には「Deep Think」と呼ばれる拡張推論モードが搭載されている。このモードでは、複数の仮説を並列に探索する高度な推論を行い、より複雑な問題に対応できる1。
Deep Thinkモードの性能は以下の通り1:
- Humanity’s Last Exam: 41.0%(通常モードの37.5%から向上)
- GPQA Diamond: 93.8%(通常モードの91.9%から向上)
- ARC-AGI-2: 45.1%(コード実行あり、ARC Prize検証済み)
Deep Thinkモードは現在、安全性評価を経てGoogle AI Ultraサブスクライバー向けに提供されている3。
コーディングとエージェント機能
Gemini 3は「vibe coding」(プロンプトベースのコード生成)において特に高い評価を受けている。WebDev Arenaリーダーボードで1487 Eloを記録し、SWE-bench Verifiedでは76.2%を達成している1。
Google Antigravity
Gemini 3と同時に発表された「Google Antigravity」は、エージェント指向の開発プラットフォームだ。Gemini 3の高度な推論能力とツール使用機能を活用し、開発者がより高い抽象度でタスクを指示できる環境を提供する12。
エージェントはエディタ、ターミナル、ブラウザに直接アクセスでき、複雑なソフトウェアタスクを自律的に計画・実行する。Gemini 2.5 Computer Useモデル(ブラウザ制御用)やNano Banana(画像編集用)も統合されている1。
Gemini Agent
Google AI Ultraサブスクライバー向けに「Gemini Agent」が提供されている。これはGmailの整理やGoogleカレンダーの管理など、複数ステップのタスクを実行できるエージェント機能だ12。
長期的な計画能力を測定するVending-Bench 2では、Gemini 3 Proがリーダーボードでトップを獲得。シミュレートされた1年間の運用において、一貫したツール使用と意思決定を維持している1。
マルチモーダル学習支援
Gemini 3は、テキスト、画像、動画、音声、コードを横断的に理解する能力を持つ。100万トークンのコンテキストウィンドウを活用し、以下のような学習支援が可能だ1:
- 手書きレシピの解読と翻訳
- 学術論文や長時間の講義動画からインタラクティブなフラッシュカードを生成
- スポーツの動画分析とトレーニングプラン作成
Google検索のAI Modeでは、Gemini 3を使用した「generative UI」が導入され、クエリに応じてインタラクティブなレイアウトやシミュレーションを動的に生成できる12。
安全性への取り組み
Googleによると、Gemini 3はこれまでで最も包括的な安全性評価を受けたモデルだ。以下の改善が報告されている1:
- 追従性(sycophancy)の低減
- プロンプトインジェクションへの耐性向上
- サイバー攻撃を通じた悪用への保護強化
UK AISIなどの機関への早期アクセス提供や、Apollo、Vaultis、Dreadnodeなどの業界専門家による独立評価も実施されている1。
利用可能な環境
Gemini 3は以下の環境で利用可能だ1:
- 一般ユーザー: Geminiアプリ、Google検索のAI Mode(Pro/Ultraサブスクライバー向け)
- 開発者: Google AI Studio、Vertex AI、Gemini CLI、Google Antigravity
- サードパーティ: Cursor、GitHub、JetBrains、Manus、Replitなど
入力トークンは100万、出力トークンは64Kまで対応している4。
Gemini 3の詳細については、Google DeepMindの公式ブログや、Google AI Studioで実際に試すことができる。
Sources
- Gemini 3: Introducing the latest Gemini AI model from Google - Google公式ブログ
- Google announces Gemini 3 as battle with OpenAI intensifies - CNBC
- Gemini 3 Deep Think is now available - Google公式ブログ
- Gemini 3.0 Pro vs GPT 5.1: Finding the best model for coding - Composio