Anthropicは2026年7月7日、AIエージェント「Claude Cowork」のモバイル・Web対応を発表しました1。これまでデスクトップアプリ限定だったCoworkのセッションとファイルが、どのデバイスからでも引き継げるようになります。ベータ提供は今後数週間かけてMaxプランのユーザーから始まり、他のプランにも順次拡大される予定です1。
Coworkは、資料作成やデータ整理といった仕事のタスクをClaudeに任せられるAIエージェント機能で、2026年1月にデスクトップアプリとして提供が始まりました2。今回の発表では、あわせて公開された利用データも注目を集めています。Cowork利用の90%超がソフトウェア開発以外の日常的なナレッジワークだったというもので、「AIエージェント=開発者のツール」という見方を覆す内容です1。
デスクを離れても仕事が止まらない
今回の対応の中心は、作業をデバイスから切り離す仕組みです。デスクで開始したタスクの進捗をスマートフォンから確認し、完成した成果物を別の場所で受け取る、といった使い方ができます。ラップトップを閉じて会議に向かっても、Claudeはバックグラウンドで作業を続けます13。
スケジュールタスクは、デバイスが1台もオンラインでなくても実行されるようになりました1。Anthropicが挙げる例では、月曜朝6時に「クライアントとの打ち合わせ準備」を設定しておくと、Claudeがメールのスレッドや議事録、最新ニュースを調べてブリーフィング資料を作成し、フォローアップメールを下書き(未送信)の状態で残しておいてくれます1。
アクセス方法は、Webではclaude.aiのホーム画面から、モバイルではiOS/Android版ClaudeアプリのサイドバーからCoworkセッションを開始できます。フル機能はデスクトップアプリで提供されます1。
利用データが示す「9割が非開発」の実態
Anthropicが公開した利用実態のデータによると、Coworkの利用の90%超はソフトウェア開発以外で、最大のカテゴリはビジネスオペレーションとコンテンツ制作でした1。この上位2カテゴリだけで全利用の約半分を占めます3。
TechCrunchによると、このデータは2026年5月にサンプリングされた120万件の匿名化セッション(60万超の組織)に基づくもので、内訳は業務プロセス処理が33.4%、コンテンツ制作・コピーライティングが16.4%だったのに対し、ソフトウェア開発は8.7%にとどまったと報じられています2。散在する更新情報を1つのレポートにまとめる、オンボーディング用のチェックリストを作る、スプレッドシートを照合するといったタスクが代表例として挙げられています2。
コーディングエージェントとして知られてきたClaudeの利用が、実際には一般的なオフィスワークに広がっているというこのデータは、今回のモバイル・Web展開の狙いも説明しています。開発者はデスクトップの前にいますが、ビジネスユーザーの仕事は会議室や移動中にも続くためです。
提供条件とキャンペーン
モバイル・Web版のベータは、Maxプランのユーザーを皮切りに数週間かけて順次提供されます1。Anthropicは展開を記念して、Coworkの利用上限を2倍にする措置を8月5日まで延長すると発表しています1。
Anthropicは6月末にClaude Sonnet 5を無料プランの標準モデルに据えるなど、開発者以外の一般ユーザーへの展開を強めています。エージェント機能を「デスクトップの専門ツール」から「どこでも使える仕事のインフラ」に広げる今回の動きもその延長線上にあり、資料作成やデータ整理をAIに任せることを検討している企業にとっては、導入のハードルが一段下がることになりそうです。
詳細はAnthropicの公式ブログで確認できます。
Sources
- Claude Cowork on web and mobile: hand off work anywhere - Anthropic公式ブログ(2026年7月7日)
- Claude Cowork expands to mobile and web - TechCrunch
- Anthropic’s Claude Cowork AI agent is now available on mobile and web - The Decoder